ステージ1終了時点で、中国・四国は3勝2敗。手厚い戦力が名を連ねていたものの、ステージ2では関西Aのベテランで京都府八幡市出身の佐藤康光九段(55)が大暴れ。第6局では狩山五段が、第7局では菅井八段がそれぞれ敗れ、まさかの3勝4敗とリードを許すこととなった。
チーム勝利を託される形となったのは、藤本五段ただ一人。第8局では、初手合いとなる佐藤九段を相手に得意の雁木で挑むと、予選5連勝中の大先輩に勝利。計り知れない底力を発揮し、4勝4敗のタイに追いついてみせた。
迎えたフルセットの最終局では、敵チームに所属する兄弟子・稲葉陽八段(36)と激突。前年のABEMAトーナメントでは同じチームで優勝も経験した両者だが、チームを違えて大勝負で盤を挟むこととなった。振り駒で先手となった稲葉八段は、四間飛車を志向。ねじり合いから判断の難しい激戦へと発展したものの、藤本六段が丁寧な対応で主導権を握り、最後は即詰みに打ち取り嬉しい勝利を手にしてみせた。
中国・四国の山崎隆之監督(44)は「私自身は負けてしまって(結果は)若手棋士に頼ってしまったが、勝てて嬉しいです。中国・四国を背負っているからこそ熱が入る。この場に居られて幸せです」とチーム戦の醍醐味を強調。「ハラハラドキドキ、監督の私自身が流れを変えてしまい危ないところもありましたが、本戦に進むことができてホッとしています。良い戦い、面白い戦いをお見せできるように頑張りますので、応援をお願いします」とファンへ呼びかけていた。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合は監督と出場登録棋士4人の計5人が参加。全員が1局ずつ指す「ステージ1」と、ステージ1で勝った棋士が負けるまで指し続ける「ステージ2」に分かれ、5人を先に倒した方が勝利チームとなる。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)




