狩山幹生五段
【映像】千日手・指し直しの一戦
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 猛スピードで成立した千日手の効果が、こんなところに待っていた。日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 2025」、予選Aリーグ1位決定戦、関西A 対 中国・四国が3月8日に放送された。第1局は関西A・冨田誠也五段(29)、中国・四国は狩山幹生五段(23)が登場しての対戦に。対局開始からわずか36手目で千日手、指し直しになる波乱の展開になる中、指し直し局もスリリングな内容に。最終盤、わずかに残されていた持ち時間を有効活用した狩山五段に対して、仲間から「ナイス千日手!」「あの40秒が効いている」という声が飛んだ。

【映像】千日手・指し直しの一戦

 注目の第1局、先手の狩山五段が居飛車、後手の冨田五段が四間飛車でスタートしたが、両者が駒組みを終えた後、先手の角、後手の銀が様子を伺うように同じ場所を行ったり、来たり。すると1手指すごとに5秒加算される持ち時間だけが増えていき、あっという間に千日手が成立した。これには特に中国・四国の控室で驚きの声があがり、菅井竜也八段(32)からは「おいおいおい、ちょっと」という言葉も。成立後、対局していた両者も苦笑いを浮かべていた。

 先後入れ替えての指し直し局、先手・冨田五段が中飛車、後手・狩山五段が居飛車の対抗形で進むと、後手は中盤から1筋に香車を2枚並べての迫力ある端攻めを敢行。これで一時は少しポイントでリードを許していたところを挽回。道中、ABEMAの「SHOGI AI」では先手の勝率が80%を超えるところまで追い詰められたが、その後もプレッシャーをかけ続けたことで、先手にも受けのミスが生じることに。ついには逆に後手の勝率が80%を超えるところまでになった。

盛り上がるチーム中国・四国
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