■「五大陸五輪」で経済的な負担減?

7人の候補
拡大する

 体操、新体操業界で実績を残してきた渡辺氏が、IOC会長選で掲げた目玉が、オリンピックの5大陸での同時開催。各方面でも大きな驚きを招いた。「オリンピズムを世界中に広めるためには、1カ所でやるよりも5大陸で同時にやった方が、人類を心身ともに健康にして、そして平和に貢献することに大きな効果がある」と語ると、JOC理事を務める來田享子氏は「ものすごく斬新だと思った」と評価。過去、IOCの議事録を振り返ってみても、同様の提案がなされた記録はないとし「世界がすごく分断している中、あえて分散開催というやり方。それをどうやって接続するかというチャレンジで、渡辺さんの提案には意義はある」とした。

 5大陸での分散開催における、大きなメリットとして打ち出しているのが、開催都市の負担減だ。オリンピックを開催する上では、1兆2500億円ほどが必要と言われる。「世界一コンパクトな五輪」を掲げた東京五輪も、当初は7340億円の予算でスタートしたが、最終的には計1兆6989億円まで膨れ上がった。仮に1兆2500億円のままで、5つに分けて開催すれば、単純な計算で1都市あたりの負担は2500億円まで軽減される。

■1回の五輪で1兆円超えが当たり前
この記事の写真をみる(3枚)