■世界中のスポーツを五輪に関わらず底上げを
渡辺氏が掲げる改革案の中には、IOCを「世界スポーツ機関」に改称するというものもある。より積極的に社会貢献するための役割を拡大する狙いがあり「五輪運営だけではスポーツの存在感をさらに高めることはできない」という意味が込められている。「今までのIOCは、オリンピックを開催することによって、スポーツのプレゼンスを上げようとしたが、なかなかうまくいっていない。僕に言わせれば、各国のスポーツのプレゼンスを上げる活動を試算して、その結果、オリンピックのバリューが上がっていく。要するに逆のやり方をすべきだ」と説明した。
オリンピックでは、これまで日が当たらなかったマイナースポーツも競技として加わることで発展につながる、という期待もあったが、渡辺氏のイメージとしては、これもまた逆だという。「マイナー競技はなぜマイナーなのかを、自分たちで考えられていないし、マイナーな理由がある。人々に好かれるように自分たちから変えていかないといけない。バスケットボールも『3×3』を作り、クライミングも『スポーツクライミング』というアーバンスポーツ(都市を舞台に、音楽やファッションを組み合わせて楽しむ)にした。人々に支援してもらえるようなスポーツにする努力をしなければ難しい」。
■競技の採用基準も透明化
