渡辺氏は「1兆5000億円とかを出すとなると(都市が)限られ、オリンピックが大国のプロモーションになり、そうなるとさらに政治色が強くなる。日本で言えば1964年に東京オリンピックを開催したから、日本が発展していった。そういった国にチャンスを与えるのも、オリンピズムの心だと思う」と、これから発展を目指す世界の各都市に希望を与えるものだと説明した。

 また1兆円を超える規模は、世界有数の大都市でも開催が難しくなると見込んでいる。「どこの大会でも、1兆円を超えるとなると、世界中が高齢化社会になっている中で『社会保障費に回してくれ』というような話になる。さらに(2028年開催の)ロスオリンピックのスポンサーも、まだ半分くらいしか集まっていない」と、苦しい台所事情を伝えた。

■世界中のスポーツを五輪に関わらず底上げを
この記事の写真をみる(3枚)