■児相は限界?子どもを守るため必要な施策は?

児相に関するデータ(2022年度)
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 児相は限界なのか、子どもを守るために必要な施策は。山本氏は「『虐待』の言葉によって、親も子も“悪いこと”として認識してしまう」との思いを語る。「“家族がうまくいっていないから直していこう”というふうに変わってほしい。お互いが守りたい部分を話し合えていなくて、虐待を受けた子にも『親と一緒にいたい』という気持ちはある。児相だけではやっていけない現状から、支援団体やショートステイも出てきている。命の危険がないならば、引き離すのではなく、親子が一緒にいられる環境をつくっていけないか」。

 飯島氏は現場を知る立場から、「子どもをケアする大人、親御さんも職員もそうだが、彼らがケアされたり、働けたり、子どもと関われる環境が大事だ。支援者を支援する仕組みや制度ができないか」と問いかける。

 岩波氏は「児相へいく圧倒的なボリュームを縮減したほうがいい。そのためには、子どもの成育情報を知っている市町村がケアを施して、本当に必要なケースを見極めて、児相へつなげる。児相に入る子どもが制限されれば、より職員の手が入り、判断も速くなる。危険が差し迫っている場合は別だが、そうでない場合は、市町村が調査する仕組みが欲しい」と訴えた。(『ABEMA Prime』より)

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