■悲惨なニュースを繰り返し見ては沈んだ気持ちに…

ドゥームスクローリング
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 ドゥームスクローリングとは、悲運・破滅を意味する「Doom」と、スマホを見る「Scrolling」を組み合わせた言葉で、悲観的なニュースを長時間消費し続けることを指す。具体的には、戦争やパンデミックに関する悲劇的な情報、事件・事故の凄惨なニュース、誰かを一方的に攻撃する投稿・やり取りなどを消費する。2020年のコロナ禍から、海外メディアが報じるようになった。

 デジタルデトックス・ジャパンの森下彰大理事は「ネガティブな情報をあさり続けて、不安や怒りを抱く。周囲とのつながりが希薄になったり、軽いうつ状態になったりすることもある」と説明する。「言葉が使われ始めたのはコロナ禍で、ワクチンや重症化リスクなどの身近な危機に対策をとろうと、情報をあさるようになった」。

 ドゥームスクローリングになる要因として、「スマホ依存が根底にあり、その原因は脳の疲れにある。疲れているときは、誘惑にあらがえずに、流れてきたものをうのみにする。そして余計に警戒モードになる。ネガティブかつ新しい情報が、手元のスマホにランダムでやってくる。『本人がだらしない』のではなく、スマホ依存のセットができている」と考察する。

 そうした状況が進んだ結果、「自分や身の回りのことに、注意が払えなくなってしまう。極限まで行くと、“セルフネグレクト”の状態にもなりかねない」と注意を促す。

■ドゥームスクローリングに悩む当事者の思い
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