提供者(ドナー)から、患者(レシピエント)に子宮を臓器移植して、自分たち夫婦の受精卵を子宮の中に入れて妊娠を目指す「子宮移植」。
日本では、法律上、亡くなった人から移植できる臓器が法律で定められていて、現状、「子宮」は、その臓器の中に入っておらず、生体ドナーからの提供が想定されている。
木須医師が研究を始めるきっかけになった出来事について語る。
「20代の方が、子宮頚がんで、子宮を摘出せざるを得ないという状況があり、手術前にどうしても子宮は残してほしいんだと泣かれていた。残念ながら手術中の所見で子宮を取ってしまって、本当に悲痛の声を聞いて…」
海外では、症例数が増えている「子宮移植」だが、日本では、さまざまな課題があるという。
木須医師は「通常の臓器移植というのは生命にかかわる臓器になるので、やむなくして臓器提供、臓器移植をして救命・延命をするが、生命にかかわらない子宮を移植していいのかという議論がある」と倫理的な課題があることを述べ、続けて、提供者が生体ドナーであることで、手術によるストレスや出血量が多くならないよう注意する必要がある点、精神的な面においてもドナーのサポートが必要であると述べた。
現状、生体ドナーは、学会の指針で親族間に限るというのが原則となっており、木須医師はドナーになる可能性が最も高い母親を例にあげ、「年齢を重ねると血管が細くなり手術が難しくなったり、血栓という血の塊が血管に詰まりやすいといった支障も出てくる」と指摘した。
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