機能性表示食品制度 導入の背景に安倍政権の“成長戦略”「トクホはお金も時間もかかる」「健康食品の産業活性化」…当時から専門家は安全性を懸念

ABEMAヒルズ
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機能性表示食品導入の目的は「経済活性化」

機能性表示食品導入の目的は「経済活性化」
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 国立医薬品食品衛生研究所・客員研究員の畝山智香子氏は、当時を振り返りこう述べた。

「官邸主導の政策というのは、現場への相談なしにどんどん進んでしまう。私たち食品安全の専門家の意見は聞かれていないのでどうしようもなく、見守るしかないという感じではあった。当然『問題が起きるだろう』という予想は関係者の間では最初からあった。元々トクホでも機能性表示の条件を緩和するというような動きはずっとあったが、それが極まったイメージを持っていた」

「とにかく安全性が全然担保されていない。アメリカのダイエタリーサプリメント制度を見習って作ったということになっているが、アメリカの制度ですでに健康被害がたくさん出ていた。当然、それと同じようなことが日本でも起こるだろうということは予想された」

 当時、規制改革会議の会見で説明された、食品による「セルフメディケーションの実現」について畝山氏は、「メディケーションは、明らかに効果があるということを前提にしているが、食品はそもそも病気の治療用に使うものではなく、不調の時に使うのは医薬品。もし食品に効果があるのなら、当然副作用もあるということも考えなければならない」と述べた。

 消費者にとってみれば、見込める効果や価格面から医薬品という選択肢もあるが、機能性表示食品がこの10年でこれだけ普及したのはなぜなのか。

「圧倒的に宣伝効果だと思う。医薬品は一般の消費者向けに宣伝することができないが、一方で機能性表示食品は毎日のように宣伝されている」

 最後に畝山氏は「理想的には、特に消費者が苦労しなくても安全な商品を手にできることが大事なので、機能性表示を経済活性化のために使うということはやってほしくはない。ただし、制度ができてしまった以上変わらないとは思うので、消費者の方でもある程度この制度を理解することが必要だ。そして、本当に何か気になることがあるのであれば、薬局(※1)に相談するなど、専門家の意見を聞くことを先に考えてほしい」と締めくくった。

(※1 市販薬ほか健康食品などについても相談できる「健康サポート薬局」という制度がある。厚労省の定める基準をクリアし、都道府県への届け出が必要。)

(『ABEMAヒルズ』より)

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