将棋の藤井聡太名人(竜王、王位、王座、棋王、王将、棋聖、21)に永瀬拓矢九段(32)が挑戦する第83期名人戦七番勝負が4月9日、東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で開幕した。第1局は、振り駒で永瀬九段の先手に決定。注目の戦型は「角換わり腰掛け銀」となった。
将棋界の頂上決戦・名人戦七番勝負が開幕。今季は防衛3連覇を目指す藤井名人と、初の名人奪取を目指す永瀬九段の激突となった。両者のタイトル戦での対戦は今期で5度目。過去4戦はいずれも藤井名人が制しているが、このシリーズはどのような結果となるのか。
名人戦の“聖地”ともされる椿山荘を舞台に争われている第1局。振り駒の結果、先手番は挑戦者の永瀬九段に決まった。そうなれば気になるのは後手番の藤井名人による2手目だ。藤井名人はプロ入り以来一貫して後手番では飛車先の歩を突くところからスタートしてきたが、今年3月に行われた王将戦七番勝負の第5局では初めて△3四歩を着手。本局でも連続採用となるか、大きな注目を集めていた。
しかし、藤井名人の右手は飛車先へ。戦型は「角換わり腰掛け銀」となった。昼食休憩までの進行は、今年3月に行われた棋王戦五番勝負第3局の▲藤井棋王 対 △増田康宏八段戦で千日手が成立した一局で前例がある将棋に。昼食休憩を前に、永瀬九段がじっくりと持ち時間を投入して考慮を続けている。
ABEMAの中継に出演した金井恒太六段(38)は、「永瀬九段の考慮中だが、この局面が想定外とは考えにくい。棋王戦は先手持ちの見解だったと思うが、にもかかわらず藤井名人がこの局面に誘導してきたことが引っかかっており、難しいと考えているのでは」と解説していた。藤井名人の狙い、永瀬九段の研究がぶつかり合い、どのような新しい将棋を生み出すのか。今後の展開から目が離せない。
持ち時間は各9時間の2日制。
藤井名人と永瀬九段の昼食注文は…?




