■高齢者だけではない問題 30代男性「(介護殺人の)気持ちがわかる」

 介護に悩むのは高齢者だけではない。「介護殺人のニュースを聞くたび『容疑者』の気持ちが凄くわかる。自分も介護疲れで毎日に殺意を抱いている」と、SNSに投稿したのは30代前半の男性だ。

30代男性「(介護殺人の)気持ちがわかる」
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 父親が他界、母が病気で入院中のなか、認知症の祖母を1人で介護している。「昼ご飯を食べた5分後に、自分でまた食べようとする。『食べたよね』と言うと、暴言を吐いてくる。『殺してみろ!』と、あおり言葉だ」。そして、「衝動的というか、近くにあった包丁で殺そうと思ったこともある。(介護殺人の)気持ちがわかる」と胸中を明かす。

 そうした中、パックンは「親と離縁関係にあって何十年も会っていない子どもでも、突然『親の介護が必要だ。面倒を見てくれ』と言われたら断れないのか」と疑問を持つ。

 これに神尾弁護士は、「そうしたケースは結構ある。縁を切って、『親は生活保護でも受給して』と答える子どもが多い」と説明。「1人世帯として生活保護を認定して、行政が裁判所に成年後見人等を申し立てる。そして後見人が面倒を見て、報酬は税金で支払う」。ただ、「実は『縁を切る』という手続きは、法律上ない。親子関係は一生続き、事実上は連絡を取っていないといった扱いにある」という。

 法律上は、子どもには扶養義務がある。とはいえ「扶養義務を100%守る必要はなく、お金さえあればなんとかなる面もある。しかし、24時間365日、人に預けるだけの経済的余裕がみんなにあるかというと、普通はない」とも語る。

■「娘たちに面倒を見させるのは…」梅本さんの“今後”は
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