■被害者遺族「国の責任で支援を」
さっぽろ犯罪被害者等援助センターの代表を務める木村邦弘さんは今から11年前、当時35歳だった息子を統合失調症だった男に刺殺された。息子・弘宣さんは精神障害施設で働いており、刺した男性は入居者の一人だった。加害者は事件前「お前は死ななきゃならない」と幻聴が聞こえたといい、「担当していた弘宣さんなら一緒に死んでくれる」と思い込んだ。精神鑑定の結果、男は心神喪失だとし不起訴になった。
事件当時の思いについて木村さんは「やはり最初は他の被害者の方と全く同じ。息子も35歳でこれからという時に、しかも殺人でもあり非常に精神的なショックを受けた」。弘宣さんが日頃から精神障害を抱える人々と接する仕事だったこともあり、他の被害者とは異なる思いもある。「精神障害者の自立支援、統合失調症の方の治療を担当する仕事だったので、きちっと治療して社会に復帰させられなかったことに対する本人の無念さもあったのでは」。
刑事責任能力がない加害者とも日々接する機会があっただけに、事件が起きる度にその責任を誰が取るのかは疑問に感じているという。「(一般的には)刑事裁判でも損害賠償でも、いろいろ経済的にできることもあるかもしれないが、精神障害で責任能力がない不起訴事件の被害者の場合、誰が責任を持ってくれるのか。やはり法律に基づいて国の責任で何らかの支援をすべきだし必要だと思う」。被害者遺族として無念の気持ちは消えないが「司法なら裁判所、医療鑑定なら医師の判断がきちんと科学的根拠を持って出されるのであれば、それはちゃんと受け入れるべき。全てを認めないことは当事者、被害者にとっても判断が狭くなる」と、どれだけ辛くとも受け止めるべきものがあると語った。
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