コメようやく値下がり
【映像】スーパーで売られてるコメの状況(実際の映像)
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 備蓄米が放出されてから約1カ月半が経過したが、スーパーや小売店など実際の店頭にはまだ十分に行き渡っておらず、一般家庭の食卓にも十分に届いたとは言えない状況だ。

【映像】スーパーで売られてるコメの状況(実際の映像)

 価格も2024年の同時期と比べると約2倍の高値となっており、落ち着く気配が見えず、家計の圧迫が続いている。当初、政府が放出時に思い描いていた目論見とは大きなズレが生じている状況だ。

 コメの流通状況については停滞が続いていたが、5月12日になってようやく値下がりした。この状況について政治ジャーナリストの青山和弘氏は次のように指摘した。

「値下がりといえば聞こえは良いが、高値安定、高止まりというのが正しい言い方だと思う。現在、価格は倍以上になっている。数千円単位で下がらないと本当に下がったとは言えない。現在はわずか19円ほどの下落のため、高値のまま止まっていると思う。まだ値下がりと呼ぶには早いと感じる」

 備蓄米の流通が改善したと言い切れるかという問いに対しては「多少は改善してきていると思うが、価格を下げるほどにはなっていない」と青山氏は述べる。

 また、日本大学危機管理学部教授、東京科学大学特任教授の西田亮介氏は以下のように分析する。

「流通の過程に問題があるのではないかという印象は強い。今回の備蓄米放出も制度設計を煮詰めないままに実施された結果、現状の混乱を招いたのではないか。それゆえ備蓄米を放出しても、思った通りに価格が下がらない状況が続いている」

政治的課題としてのコメ価格問題と流通の課題
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