プロ麻雀リーグ「Mリーグ」の2024-25シーズンは2年連続最下位と低迷していたセガサミーフェニックスが下剋上を果たし、リーグ7年目での初優勝を果たした。リーグ史上稀にみる大接戦となったファイナルシリーズ最終戦では、レギュラーシーズンMVPを獲得した醍醐大(最高位戦)が自らアガリを決めてトップ、チームポイントで逆転し、劇的な初優勝を遂げた。麻雀そのものも劇的ではあったが、この優勝に勝者、敗者、それを見守ってきたファンの多くが涙した。「この熱狂を外へ」をスローガンとするMリーグだが、激動のシーズンの結末は、選手とファンが涙で一体となる「この情熱を共に」した瞬間だった。
ファイナル最終戦は、直前の試合で首位に立った前年覇者・U-NEXT Pirates、初優勝を目指すセガサミーフェニックス、6年ぶり2度目の頂点を狙う赤坂ドリブンズによる実質的に三つ巴の戦いになった。試合は終盤・南3局1本場に入っても、まだどのチームがトップを取るか全く見えない状況。ここで親番だった醍醐が親の満貫をアガりトップ目に浮上すると、オーラス南4局でも一度はオリを選択するもののこの判断が絶好で、すぐにテンパイし直し、リーチを打っていたU-NEXT Pirates・仲林圭(協会)からこぼれた7筒でロンアガリ。逃げ切りトップを決めるとともに、チームポイントでもU-NEXT Piratesを抜いて逆転優勝を果たした。
ヒーローとなった醍醐が大号泣することとなったのは試合後のことだ。第1試合で痛恨のラスを引きヒヤヒヤだった浅井堂岐(協会)、チーム唯一のオリジナルメンバー・茅森早香(最高位戦)、1年目から活躍した竹内元太(最高位戦)、そして監督として退任が決まっていた近藤誠一(最高位戦)が大喜びで次々に試合会場に入ってくると、醍醐の目にはみるみる涙が溢れた。さらには普段からクールな茅森も「麻雀プロになって25年目で初めて麻雀で泣きました」と、両手で顔を覆いながらも大粒の涙を流した。これを見た公式実況・日吉辰哉(連盟)も「醍醐が泣いています!茅森が泣いている!いつも冷静な2人の目に涙!」と声を枯らした。
この日は閉会式が行われる会場で、パブリックビューイングも行われた。優勝決定の瞬間、セガサミーフェニックスのファンたちは一斉に立ち上がり、チームメンバー以上の盛り上がりを見せて歓喜の声をあげていたが、それと同時に醍醐や茅森と同じように涙する者も多かった。選手とファンの心が一体になった瞬間を見て、解説を務めたプロ歴39年のレジェンド・土田浩翔(最高位戦)が「いい涙だね。もらい泣きしそうになりました」と語れば、日吉も「観客の方が拍手するだけじゃなく涙する、そんな時代になりました」と伝えた。
■勝者も敗者もファンも涙Mリーグ 日程
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二階堂亜樹 -
仲林圭 -
松本吉弘 -
本田朋広
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中田花奈
下石戟 -
阿久津翔太
堀慎吾 -
醍醐大
茅森早香 -
鈴木たろう
渡辺太




