「子供を産む事が幸せという価値観」に疑問を持つサトウさん(20代独身)は、今回の支援制度に対しても批判的だ。「お金がなくて、結婚式を挙げない、子どもを産めない人がいる。収入が足りず、掛け持ちで働いている人がいる中で、“独身税”を取る。国民から1から100まで話を聞いたのか。もし話を聞いていたなら、なぜ昔からやっていなかったのかとなる。もっと景気がよく、子どもが多かった時代もあった。これでは『対策を立てても、お金がないから国民から巻き上げよう』と捉えられる」。
モデルでタレントの西山茉希は、子を持つ立場から「稼ぎとは違って、支援はありがたい」としながら、「人は子どもを持つ持たないを自分で選んでいる。少子化問題を改善したいのであれば、メリットを説明して、協力を求める手順を踏むべきだ。聞いただけだと、“独身税”に感じる人もいる。言葉がひとり歩きするといい印象を与えない」と語る。
小説家の室井佑月氏は「独身でも結婚していても、本当に困っている人を先に手当てした方が、少子化に効く」と考えている。「子どもがいても、お金に困らない人はいる。反対に、子どもを作ろうと思っても、お金がないからできない人もいる。本当に弱者になったとき、国が支えてくれる方が安心して生きられる」。
国光氏によると、「こうした議論は、国会でもあった」という。その結果として「来年4月から支援金制度は始まるが、いきなり月額250〜450円増えるわけではない。保険料が増える部分は、医療費改革や効率で無駄を撲滅して、同額分を下げるため、負担は生じない」こととしたと説明する。
■負担感が増える現役世代にどう理解を求める?
