この結果、藤井名人はシリーズ成績4勝1敗で防衛に成功。2023年度の第81期名人戦七番勝負で20歳10カ月の最年少名人に就位して以来、早くも3連覇の偉業を達成した。終局後、藤井名人は「本局は早い段階で形勢を損ねてしまう形になったので、今は反省が一番大きい。シリーズを通して非常に難しい局面が多かったので、いろいろ考えられたことは充実した時間だったと思う。今の自分に足りていないところも見えてきたかなと思う」とコメントした。

 藤井名人は喜びも束の間、シリーズ決着から中3日の6月3日に次なる防衛戦の「棋聖戦五番勝負」が開幕する。前年に自身初の永世位を獲得したタイトルで、6連覇を目指す今期はタイトル戦で初対戦となる杉本和陽六段(33)を挑戦者に迎える。藤井名人は、「2日制と1日制の対局はかなり変わってくるところがあるので切り替えて臨みたい」。持ち時間もタイプも違う対戦相手とともに、次はどんな名局を生み出すのか。次なる舞台での更なる飛躍に期待が高まる。

◆藤井 聡太(ふじい・そうた) 2002年7月19日、愛知県瀬戸市出身。中学2年生時の2016年10月に史上最年少で四段昇段、史上5人目の中学生棋士となる。2020年度の第91期棋聖戦でタイトル初挑戦、17歳11カ月で最年少タイトルホルダーとなった。以降獲得と防衛を重ねて、竜王4期、名人3期、王位5期、叡王3期、王座2期、棋王3期、王将4期、棋聖5期の通算29期。棋戦優勝は11回。2023年10月には第71期王座戦五番勝負を制し、前人未踏の「八冠独占」を達成。2024年度には永世王位・永世棋聖の資格も獲得した。通算成績は408勝84敗、勝率は.829。趣味は鉄道、チェス。
ABEMA将棋チャンネルより)

【中継】第83期 名人戦 七番勝負 第5局 2日目 藤井聡太名人 対 永瀬拓矢九段
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