農協は戦後、GHQの指示で「農業協同組合法」が制定されて生まれた。国がコメの流通を管理し、生産者も国への売り渡しが義務化された。コメの買値も売値も、すべて国が決めた価格だったが、その際に国と農家の間に入っていたのが農協だ。米価の価格調整をして、安定化を図ることが、重要な役割だった。

 1995年に「コメの自由化」が始まり、流通も価格も自由化が促進され、国の役割は備蓄米の運営などに限定された。農家はJAに加入するか選べるようになり、2023年度米におけるJAのコメ集荷率は全国平均で54%だった。

 では、農家と農協の関係は、現在どうなっているのか。染谷さんによると、「農協がコメを買う場合は、概算払いになる」という。概算金とは、農家から買い上げる際に、農協が提示する値段だ。相場や市況を鑑みて決められ、集荷の際に一括で農家に支払われる。

JAは絶対に損しない商売?
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