見たことがない上に名前がなんともかわいい、この囲いはなんだ?将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2025」予選Aリーグ・第1試合、チーム稲葉 対 チーム菅井が6月7日に放送された。この第2局、チーム稲葉・藤本渚六段(19)とチーム菅井・上野裕寿五段(22)との対戦で、先手の上野五段が組んだ陣形とその呼び名に、聞き手の女流棋士が「初めて知ったー!かわいい」と興奮する一幕があった。
藤本六段と上野五段は、いずれも井上慶太九段門下の兄弟弟子。お互い手の内をよく知る間柄からか、選んだ戦型も先手・上野五段が居飛車・矢倉、後手・藤本六段が居飛車・雁木と、得意なものを真っ直ぐに選んでぶつかった。
予想外の陣形を目の当たりにすることになったのは、お互いまだどこから仕掛けようかと考え続けている60手を過ぎたあたりだ。解説の伊藤真吾六段(43)がおもむろに「▲5八銀と引いて…▲6八金引、▲6七銀とやると、何囲いというか知っていますか?」と聞き手の小高佐季子女流初段(22)に投げかけた。小高女流初段は「これは何ですか?」ときょとんとしたが、伊藤六段は「トラック囲いです」と続けた。
レアな囲いが完成!