4月3日に開幕した五番勝負は、相掛かりのシリーズに。第1局では序盤から工夫を見せ力戦に展開し、長考合戦を抜け出した斎藤八段がそのまま押し切り、シリーズ先勝を飾った。続く第2局は、相掛かりの出だしから相中住まいの接近戦に。繊細な折衝から主導権を握ることに成功した伊藤叡王は、強く踏み込み先手を圧倒。最後は厚みを活かして一気に押し切り、シリーズ初勝利をもぎ取った。
さらに第3局でも先手の伊藤叡王が得意の相掛かりに誘導した。斎藤八段が抜け出し主導権を握ったかと思われたが、渾身の勝負手で挑戦者にプレッシャーをかけ続けた伊藤叡王が形勢を押し戻すことに成功。攻めに転じると挟撃態勢から手厚く押し切り、伊藤叡王が連勝を飾った。
第4局では、シリーズで初めて角換わりの戦型に。スローペースで形勢不明の長い中盤戦となり、本格的に局面が動き出したのは、両者1分将棋に突入後だった。星取りで後がない斎藤八段が積極的に動き、ペースを握ってからはじりじりとリードを拡大。挑戦者が激戦の終盤戦を押し切って2勝2敗のタイに追いついてみせた。
いよいよ決着の時を迎える今期の叡王戦。両者が繰り広げる熱戦から、ひと時も目が離せない。振り駒の結果、先手番は斎藤八段に決まった。持ち時間は各4時間。
(ABEMA/将棋チャンネルより)




