同学年の藤井竜王・名人は、今期の叡王戦ではベスト4で敗退したものの、七冠を堅守している。伊藤叡王は「この1年で（自分は）結果も出ていなかったですし、内容的にもあまり実力をつけることはできていないという感じがしていて、藤井竜王・名人との距離感はあまり縮まってはいない、どちらかというと広がっているという実感がある」と冷静に自己分析していた。
それでも願うのは藤井竜王・名人との“タイトル戦での再戦”だ。過去に3度タイトル戦で激突している両者だが、前期の叡王戦第5局以来公式戦での対戦はない。互いにタイトルホルダーいう立場のため棋戦の予選対局で対戦することはなく、一般棋戦では互いの上位進出が条件となる。伊藤叡王は、「一年後の（叡王戦の）挑戦者は自分が考えることではないが、藤井竜王・名人とタイトル戦で戦いたいという気持ちはあるので、自分自身が他棋戦で挑戦できれば」と前進を見据えた。
現在、王座戦の挑戦者決定トーナメント準決勝に進出している伊藤叡王。王座を保持する藤井竜王・名人への挑戦権獲得にはあと2勝の位置まで迫っているが、「厳しい戦いが続くがチャンスは多くないと思うので、そういう機会を大事にしていきたい」と気持ちを引き締める。「内容面でかなり課題が多いと思うので、もっと良い将棋をお見せできるようにやっていかなければと感じている。今回ひとつ結果を出すことができたので、これを弾みにやっていければと思っています」と更なる躍進を誓った。
（ABEMA／将棋チャンネルより）
