今回の家宅捜索には他のネットメディアも警戒心を強めている。2021年に創刊した「屋久島ポスト」は屋久島町の行政を監視し、出張旅費の着服や補助金の不正請求などを報道してきた。以前、朝日新聞の記者だった屋久島ポスト 武田剛共同代表はこう語る。

「正直あのニュースを聞いたときは、明日はわが身かと。県警を相手にした取材はしていないけど、いつなんどき巻き込まれるか分からない」

「マスコミの場合だと多くが大きな問題になってから取材する。ネットメディアは小さな端緒から積み上げていってどんどんネットにさらしていくことで、いつの間にか大きくなってどんと出て、それが家宅捜索されたことでさらに注目された。実際ハンターが報道していなかったらこれはなかった事件。いち地域の小さなブログメディアが何言ってるんだとバカにする人もたくさんいる。だけど我々は町を良くするために必死でやっている。ハンターさんも、北海道の小笠原さんもそうだと思う。自分たちの地域を良くしたいと。やっぱり最後はマスコミの皆さんと手をつないでしっかり権力に向かっていかないと本当の権力の不正は暴けないしなくならない」

 現在、鹿児島県警から家宅捜索をうけたニュースサイト・ハンターには、講演会や取材の依頼が相次いでいる。また、警察や行政の不正を訴える情報提供は1日数十件来るという。

「情報の流れが途絶えてしまうと本当の闇になる」
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