■「マッチングアプリは“モテる人のためのツール”」

高橋勅徳氏
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 「明治安田生命」2024年の発表によると、1年以内に結婚をした出会いのきっかけは「マッチングアプリ」が29.8%、「学校の同級生・先輩・後輩」が17.0%。マッチングアプリを利用した動機は、「手軽に出会えるから」 53.9%、「好みの相手を選ぶことができる」が44.1%だという。

 東京都立大学の准教授、高橋勅徳氏(50)はマッチングアプリで“年収1000万円”と記載、約200人の女性と会うも惨敗だったという。その上で、「マッチングアプリは、理想的な条件の人と出会うチャンスが常に担保されてしまう。
そうすると『この人は果たして恋人に選んでいいのだろうか?』という意思決定が出てくる。その判断基準が普通になると、出会いから恋愛、結婚に進むひとつの障害になってしまうんじゃないか」との懸念を示す。

 さらに、「僕は年齢の問題もあるので、例えばフィルターをかける。それで顔を非表示にすると、『顔が見えない人とは会いたくない』って選択が向こう側にできちゃう。ほかの年収や職業、趣味もボカせばボカすほど、外される可能性がある。だとしたら、全部見える化してることを前提とした出会いや恋愛で、年寄りの世代と今の大学生とは全然違うものになってるんじゃないか」と付け加えた。

 婚活コーディネーターの荒木直美氏は、「マッチングアプリは“モテる人のためのツール”なので、整っている条件をクリアしてる人たちが結果を出しやすい。フィルタリングでふるいにかけていくから、落ちていく人たちにとっては勝ち目がない。厳しいことを言うが、そこにしがみついてやってる感だけ出すんじゃなく、現実的な婚活をしないといけない」。

 高橋氏のマッチングアプリ惨敗の要因については、「“年収1000万円”をチラつかせるのがネックだ。年収を武器にするのではなく、『普通の一般の男性です』という売り出し方にした方がいい」とアドバイスした。

■「先延ばしは自滅の刃」
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