■ウソや陰謀論に引っかからないためにできること

フェイク&陰謀論の見抜き方
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 ウソや陰謀論には、どのように対処すればいいのか。秦氏は「フェイクを見抜ける人は、最初から見抜ける。陰謀論は“考え方”ではなく“信念”で、心から信じていると、『ファクトチェックが真実を隠そうとしている』と、より強く信じてしまう。人のマインドを根本から変えるのは難しい」と分析する。

 とはいえ、実情は「切り抜き動画だけを見て、意思決定する人はいない」とみている。「動画を見た上で、どんな情報を得るかが重要になる。有権者は時間がなく、電車内で30秒、1分で主張がわかるのは便利だ。そこに市場があり、需要があるのも問題ない」。

 しかしながら、「ワイドショーなどの視聴者が、そこを入り口にNHKなどを見るのか、という研究が昔あった。移る人も存在していたが、ワイドショーを見る人は、ずっとそれを見続けて、知識を広げていく傾向があった。切り抜きと同じではないが、ワイドショーの意見がその方向性へ動く可能性もある」と警鐘を鳴らす。

 フェイクや陰謀論の見抜き方は、「バランス感覚を持とう」ということに尽きるのだそうだ。「政治に『そこそこ』の関心や知識を持つ」「『そこそこ』の気持ちで支持政党を応援する」といった距離感を保ち、「うわさ話を見聞きした際に、『それは自分が考えていたことと同じことを言っている』と思ったら要注意だと常に意識する」と提言した。
(『ABEMA Prime』より)
 

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