■103万円→160万円も「富士山なら2合目」
国民民主党といえば、やはり昨年の衆院選で「103万円の壁」を178万円にまで引き上げて手取りを増やすと訴え続け、一躍脚光を浴びた政党だ。政策として掲げる「新・三本の矢」も1つ目には「手取りを増やす」を掲げ、具体策として所得税控除を178万円に引き上げて働き控えの解消を図る。2つ目に「投資を増やす」として、投資減税「ハイパー償却税制」を取り入れることで民間投資額300兆円を目指す。3つ目は「教育予算を増やす」とし、「教育国債」を発行して教育予算を10兆円まで増やすという。
衆院選後は自民党・公明党という連立与党とともに、103万円からの引き上げについて協議を重ねたものの、結果としては国民民主党が求めた178万円は実現されず160万円に留まった。玉木氏は「30年動かなかったものだっただけに結構画期的だと思ったが、みんなもう忘れている。動きの度合いが少ないのと、複雑になってわけがわからなくなっているので、もう一回きちんと整理して本来言った通り(178万円)に上げたいので、もう一回(有権者に)参議院選で力を貸してほしい」と述べた。
178万円に向けて協議した自民党への不満は募る。税収は5年連続で最高を記録し、年平均で6兆円も上振れた。さらに決算でも4年連続で使い残し、その平均額も6兆円だという。財源不足を理由に希望していた引き上げ額に届かなかったとされた思いからか「党首討論でも上振れを使ったらどうかと言ったら(石破茂総理は)上振れを使うほどの財務状況にはないと言った。それなのに党首討論の2日後に、上振れを使って2万円を配るという。『2万円配るとは、どうなんだ』と言ったら『侮辱するな』と言われた」と、石破総理と激しくぶつかった場面を振り返った。
玉木氏からすれば、160万円まで引き上がったとしても、それは「富士山で言えば2合目」だ。「自民党、公明党と交渉して上がったのは確か。その結果、年間2万円ぐらいは所得税の軽減効果が出ているのは事実だ。ただ178万円まで所得制限なく上げたとしたら10万円から20万円、みなさんの手取りが増えている。2合目を達成したぐらいなので、残り8合を登らないといけないし、参議院選挙で勝って実現したい」と意気込んだ。
■石破茂総理とも対決
