■「自由が欲しかった」いまも癒えぬ心の傷
牧場での暮らしの名残からいまも床に座って食事をする佐藤さん
遠藤牧場で長年続いた過酷な生活と年金搾取。司法の場でも問題の実態解明は進まず、双方の主張は平行線のままだ。
これまで牧場側は、「労働の対価」についてこう説明している。「報酬としてはないが、お菓子、ジュース等の提供をしていました」。
また、恵庭市側は遠藤牧場による3人への虐待の認識はなく、隠ぺいも放置もしていないと主張している。
遠藤牧場での過酷な20年を振り返り、佐藤さんは「あまり良い時間じゃないなと思った。やっぱり自由が欲しかったね……」と胸の内を吐露した。
佐藤さんは牧場での暮らしの名残で、いまも床に座って食事をする。長い年月をかけて失ったのは自由だけではない。
※年齢・肩書等は2024年10月19日地上波初放送時点
(北海道テレビ放送制作 テレメンタリー『沈黙の搾取 見過ごされた障害者虐待』より)

