普通選挙法が成立したのは、第一次世界大戦が終わり、大正デモクラシーで民主化運動が盛り上がった1925年(大正14年)。その民衆運動を抑制し、戦後まで弾圧し続けた治安維持法とセットで成立した。

 当時の日本を表す風刺画が残されている。「第1次世界大戦で、実業家がもうかったお金を燃やして、芸者さんと遊ぶ船成金というような形で好景気が訪れることになる」(玉井教授)

 貧富の格差問題や様々な社会問題の解消の一つとして、普通選挙が実施されたとされる。一方で、不正が生まれる種も芽生え始める。

「当時、新しく有権者になった人は、『これで俺も選挙でお小遣いがもらえる身分になった』という考え方だった。今と違って選挙は普通の日にやっていた。そうすると仕事を休まなきゃいけない。だから当然半日休んで、お手当がないから、『その分ください』という。実際の庶民は全然違う意識で動いているということ」(玉井教授)

候補者は選挙ポスターで何を訴えていたのか
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