将棋の藤井聡太竜王(名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖、23)への挑戦権を争う第38期竜王戦挑戦者決定三番勝負第1局が7月25日に行われ、前期挑戦者の佐々木勇気八段が石田直裕六段(36)に124手で先勝を飾った。
注目の一戦は、石田六段の先手で相掛かりの出だしに。初のタイトル挑戦を目指す石田六段は、前例のある序盤でしっかり研究をぶつけて主導権を握ることに成功した。高難度の中盤戦でも石田六段が優勢を広げていくかと思われたが、苦しい時間を過ごしていた佐々木八段が攻め合いの中で角成りから好転。馬を逃げずに取らせてしっかり攻める順を選び、逆転に成功した。
ABEMAで解説を務めた高見泰地七段(32)は「端を絡めて一気に勝負に持ち込んだのがさすが。そのあたりからは持ち時間は佐々木八段の方が多く、逆転の気配はあったと思う。終盤も緩みない寄せでうまかった」と総括。同じく中継に出演した三枚堂達也七段(32)は「石田六段は前例のある序盤で、しっかり知見を持っていた。序盤は石田六段が立ち回って指しやすいかと思ったが、佐々木八段は途中から怒涛の勢いで筋の良い攻めを連発して一気に追い詰めた。中盤以降はミスのない内容だったと思う」と語った。
佐々木八段、石田六段の終局後のコメント




