今月5・6の両日に愛知県小牧市で行われた開幕局は、対局1日目に千日手が成立する波乱の出だしとなった。指し直し局でも同様に角換わりの戦型が選ばれたが、接戦の中で一時永瀬九段が優位に立ったものの、圧倒的な終盤力を誇る藤井王位がピンチを切り抜けると鮮やかにリードを拡大。正確無比な指し回しで押し切り、初戦勝利をもぎ取った。
続く第2局でも角換わりの戦型に。先制攻撃に出た藤井王位は、中盤の難所で強烈な歩頭桂を放って主導権を掌握。リスクのある手順に踏み込みながらも、永瀬九段の猛攻をかいくぐり、最後まで緩みのない正確無比な指し手で勝負を決め切った。ここでは「打ち歩詰め」の形で藤井王位の玉が即詰みを逃れている状態となったことが大きな話題に。激戦を物語ると同時に、勝負の対比を残酷なほどに際立たせた美しい投了図を描き出していた。
本局の先手番は永瀬九段となるが、ここではどのような戦型、作戦選択が見られるのか。激戦必至の両者の戦いから目が離せない。持ち時間は各8時間の2日制。
(ABEMA/将棋チャンネルより)




