■複数人が同時に話す会議が困難 家庭でも「テレビの声を拾ってしまう」
会社員の山田さん(仮名・40代)は「仕事で困ることが結構ある。会議で話を聞きながら議論する場面が結構あるが、どうしてもついていけない」と悩む。雑音のない室内でも、複数人が同時に話す会議だと、内容が理解できなくなり、メモも取れない状態になる。「何を話しているのか分からなくなってくる。外国語に近いようなイメージ」。
職場だけでなく、家庭でもテレビが付いているだけで、妻や子どもの話が聞き取れない。「家族のほうを向いて話すが、テレビの声を拾ってしまい、家族の言っていることがわからなくなる。家族に“声のピント”を合わせないといけないが、それができない」。
しかし、その困難さは周囲に伝わりにくく、中には「聞こえているのに分からないはずはない」「集中して聞いていないだけじゃないか?」のように、心ない言葉を向けられる人もいる。認知度が低いだけでなく、原因や治療法さえはっきりしていない。
■当事者が望む支援 周囲の理解や配慮が支えに
