白熱の一局
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 初手から両者ともにどんどんと指し、5分ほど経過したころには既に75手目まで進行。これには聞き手の伊藤沙恵女流四段(31が「棋譜並べを見てるみたい」とこぼすと、解説の佐々木慎七段(45)も「棋譜並べでも、もうちょっとじっくり並べそうです。解説できないです」と“投了”。それでも形勢は全くの五分と、いかにこの2人が角換わりに精通しているかがわかる場面にもなった。

 中盤に入ると先に増田八段、次に永瀬九段、さらに増田八段と形勢が揺れ、白熱した勝負になったが、終盤には永瀬九段が金銀を惜しみなく自に打ち込み、徹底的に受けに回った。それでも増田八段は優勢、勝勢へと近づくと流れの中で手にした銀2枚を有効に使って勝負あり。152手で激闘を制するとともに、チームを本戦へと導いた。

 試合後、増田八段は前回に続く個人3連勝について「前の試合で3連勝したいい流れを持ってこられました」と笑顔を見せると、永瀬九段との対戦には「途中ちょっとよくわからなくて形勢損ねたかなと思いました。全体的にいいところに手が行ってくれました」と振り返った。さらに、長くチームメイトとして戦った先輩に成長した姿を見せられたかという問いには「永瀬さんがどう思っているかわかりませんが(笑)。自分としては満足しています」と、さらに晴れやかな笑顔を見せていた。

ABEMAトーナメント2025 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が8回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士7人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全8チームで行われる。予選は4チームずつ2リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。
ABEMA将棋チャンネルより)

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【映像】羽生九段の振り飛車採用にテンションが上がる両軍
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