では“恒久的な解決策”とは何なのか。この会談が始まる前日、トランプ大統領は自身のSNSで、「彼(ゼレンスキー氏)が望めば、ほとんどすぐに戦争を終わらせることができるし、戦い続けることもできる」「ウクライナがNATOに加盟することはない」と投稿。さらにロシアが一方的に併合したクリミア半島についても「取り戻すことはできない」と投稿した。
ノーベル平和賞が欲しいとされるトランプ氏は、会談の3日前にアラスカ州アンカレッジで、ロシアのプーチン大統領と会談していた。実はアラスカは、ベーリング海を隔てたロシアとの距離が約90キロと近い。
アラスカは19世紀にアメリカに売却されるまで、ロシア領だった。天然資源が豊富で、これまでアメリカ・ロシア間で北極圏の共同開発について、話し合ってきた歴史もある。
ロシアが描く有利な停戦合意締結には、トランプ氏の力が不可欠と考えるプーチン氏にとっても、友好関係をアピールする絶好の場所だった。この会談の前には、トランプ氏が「ロシアが50日以内に停戦に応じない場合、非常に厳しい関税を課す。およそ100%の関税、『2次関税』と呼ばれるものだ」と発言した場面もあった。これはロシア製品を輸入する国に対しても、アメリカが関税を課すというものだった。
米ロ会談でアメリカ側はレッドカーペットで迎え入れ
