物流・医療・介護などの領域で活躍が期待されている「ヒューマノイドロボット」。近年ではまるで人間のように物を運んだり走ったりする映像などで注目を集めることも多い。
ここでは、日米中ヒューマノイドロボット最先端について、朝日新聞の関根和弘記者に聞いた。
まず関根記者が訪れたのはアメリカ・オレゴン州。アメリカを代表するヒューマノイドロボットを開発する会社アジリティ・ロボティクスが本拠地を構えている。
AIを駆使することで、複雑で自律的な動きが可能に
ここで開発されているロボットの名前は「ディジット」。高さはおよそ175センチ、65キロのロボットだ。
ディジットは倉庫や物流施設、自動車工場などで軽い荷物を運ぶことを想定し開発された。
アジリティ・ロボティクス プラス・ベラガプディCTO「ディジットが持ち上げる重さは16キロだが、本体に近い距離だとより重い荷物を持ち上げられる。電力使用量に応じて4〜5時間ほどの動作が可能だ」
荷物が入った箱を運ぶこともでき、すでに商用利用も始まっているというが、なぜここまで精度が高いのか。
アジリティ・ロボティクス 共同創業者兼最高ロボット責任者 ジョナサン・ハースト「このロボットはAIベースの行動のもと、非常に優れた歩行と走行を実現した」
AIを駆使することで、複雑で自律的な動きが可能になったという。今、こうしたヒューマノイドロボットは、製造業や物流業界での活用が期待されている。
プラス・ベラガプディCTO「ディジットは産業界の管理された作業現場で労働者として活躍しロボットの社会での活用の幅を広げてくれるだろう。そして私たちがロボットと自然に関わる方法を探るきっかけとなる」
そんなディジットを開発するアジリティ・ロボティックスは、これまでおよそ265億円の資金調達に成功。巨額の投資を背景に開発を進めているが、今アメリカではヒューマノイドロボットへの投資の動きが活発化している。
投資が加熱するアメリカのスタートアップ

