―Mリーグを初めて経験する7人の選手で注目しているのは。
下石戟(BEAST X・協会)さんと阿久津翔太(KADOKAWAサクラナイツ・連盟)君ですかね。下石さんは非常に強く、同じ団体で個人的にも親交がある方なので、ずっとMリーガーになって欲しいと思っていました。シンプルに下石さんが、Mリーグでどんな活躍を見せてくれるのか、興味があります。戦ってみたいですね。
阿久津君に関しては、これまで僕がずっとMリーグの男性最年少だったんです。彼が29歳で僕は33歳。初めて自分の歳下男性選手が入ってきたんですね。
僕は同世代か自分より歳下のプロ雀士に比べてたくさん麻雀を打ってきた自負がありました。誰にも負けないぐらい強くいたいと思ってきたので、阿久津君には負けたくない気持ちが大きくあります。彼は麻雀が強いと思います。気合いたっぷりに入ってくると思うんですよ。でも、そこをしっかりとやっつけたいです。
一方で、僕や阿久津君、岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ・連盟)さんとか、中田花奈(BEAST X・連盟)さんといった若手選手がたくさん勝ってMリーグを盛り上げないといけないと思っています。下の方で争うのではなく、上の順位でしっかり争いたいと思います。
―いよいよ自分より下の世代から突き上げられる。
いつかあるとは思っていたんですけど、なかなか出てこなかったので。楽しみではある反面、高い壁でありたいなと思います。「Mリーグは厳しいんだぞ」というところを分からせたいです。阿久津君も、内川幸太郎(EX風林火山・連盟)さんと入れ替わりで加入したので、プレッシャーは感じていると思いますけどね。
―チーム、そして個人の目標は。
チームとしては必ずファイナルに行って、2回目の優勝を果たしたい。ファイナル進出は絶対条件ですね。2年連続ファイナルを逃してしまったので、ファンの方には悔しい思いをさせてしまいました。
個人としては、僕のファンの中に「Mリーグを去年から見始めた」という方がいるんです。ただ、去年から見始めた人は、僕の苦しい姿しか見ていないですよね。何回勝っても足りないぐらいの負けている印象を与えてしまったと思います。
無理なことを承知で大きなことを言うと、全てトップを取りたいです。「強い松本吉弘の姿」をたくさん届けて、応援していてよかったなと思って欲しい。それがチームを助けることにも繋がると思います。
―昨期、どのようにしてメンタルをコントロールしていたのか。
正直、麻雀やMリーグを見るのが嫌になっている時期がありました。1月くらいですね。人がアガる姿に対して「うわっ…」と思ったり、卑屈になってしまったんです。どんどん気持ちが下がっていったので、サウナに行ったり、映画を見たりとか、麻雀と関係ないもので楽しむことを心がけました。
ただはっきり言って、そんな時間を過ごしても気持ちは晴れない。リラックスもできないです。試合で勝つ以外に心の穴を埋める方法はなかったんです。結論、昨期のシーズン中はずっと晴れることはなかったです。なんなら今も晴れていない。
この悔しさを晴らすのは9月15日から始まるMリーグの舞台で勝つこと以外ありません。自分の勝利で、心の隙間を埋めるしかないと思っています。
僕の人生はやはり麻雀が全てなんです。その麻雀がダメになると、他も全部崩れてしまう。今はとにかく早くシーズンが始まれと思っています。1勝することの大事さを噛み締めて、丁寧にしっかりと打っていきます。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チーム、2025-26シーズンから全10チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各120試合(全300試合)を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合(全30試合)を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(16試合)に進み優勝を争う。優勝賞金は7000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)



