毎年この質問を聞かれているんですけど、僕は去年と同じことを言わないように意識しているんです。大風呂敷を広げてみたりとか、一方で自虐的になってみたりして、毎年あの手この手で思っている事を喋っているんですけど、今年はめちゃめちゃ平常心です。良い意味で今までで一番落ち着いています。根拠のない余裕があります。
毎年シーズンが始まる慣れともまた違う。やっぱり今まではなんだかんだ言って、ワクワクしたり、ソワソワしたりしていました。そんな中で言葉を選びつつ、本音を喋ってきてはいたんですけど、今年はマジでつまらない記事になってしまいます(笑)。すごく落ち着いているんですよ。
―それは萩原さんにとっての新境地なのか。
そうかもしれないですね。今までは自分が勝手に背負ってしまってきたものや、周りの人が僕に対して期待している気持ちなんかが常にあったんです。それが今はまったくない。プレッシャーを感じていないというのが正しいのかな。
だから、非常に楽ですね。今現在、喋ることも全然構えていないというか(笑)。そんな感覚。自分がいつまでMリーガーを続けるのかという現実的な話があります。1年が経つごとに、辞める時が近づいているのは間違いないわけですよね。
もし、今年が最後になるかもしれないとなった時に、悔いのないシーズンにしたいし、全てが終わった時に「あれがやれなかったな」などの後悔を残したくない。そのために今のこのフラットな状態が一番いいんじゃないかなというのもあります。先のことは何もわからないですけど、そういう覚悟で今シーズンに臨みたいと思っています。
―Mリーグではパブリックビューイングも積極的に開催し、ファンとの設置面積を広げている。
そうですね。僕も草の根運動みたいな感じですけど、雀荘のゲストによく行っています。Mリーグが描く理想の未来というのは自分たちだけでは作れない。ファンの方が作っていく役割がすごく大きいと思います。
僕は「よくあんなにゲストに行きますね」と言われるんです。でもそういう活動こそがめちゃめちゃ大事なんじゃないかなと思っています。たかだか1回の雀荘イベントで入れる人数は多くても30、40人で地道な活動ですけど、そういう方法しか広げ方を知らないんですよ(笑)。でもそこで何かを受け取ったお客さんが、心の拡散をしていってくれると思っています。
人間なんてね、陰で僕の悪口を言っていたって、実際に会ってみると「あれ、意外といい人だった」となったらイメージもコロッと変わるもんです。ファンに何かを求めるならば、こっちも何かをやらなくちゃなっていうのは心の中でいつも思っています。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チーム、2025-26シーズンから全10チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各120試合(全300試合)を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合(全30試合)を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(16試合)に進み優勝を争う。優勝賞金は7000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)



