ジャーナリストの青山和弘氏は、今回の総裁選について「前回の9人の中から5人出る。顔ぶれが似ているのは間違いないが、全然違うポイントが2つある。1つは衆参両方の選挙で負けた後の総裁選だ。前回の時は衆議院も参議院も、自公与党が過半数を持っていたが、今回は持っていない。誰が総裁になっても、野党との連携をやらないといけない。もう1つは、今回なぜ選挙で負けたのかを総括して、『次はどういう総裁が自民党復活に良いのか』も考えなければいけない」と解説する。
わずか1年しか空いていないため、「党員のほとんどは変わっていないだろう。そのため前回の票は“基礎票”として参考になる。今回も議員票と党員票のフルスペックでやるため、党員票が多かった高市氏は有利になるが、問題は同じくらい党員票を取った石破氏の票がどこに行くかだ。『高市氏より石破氏の考えに近いだろう』と、小泉氏や林氏に乗れば、前回発言で失望された部分があっても、党員票を61票を取っている。小泉氏がトップに躍り出る可能性もあるから、選挙が始まってみないとわからない。ただ失言問題が今回も起きたとき、『安定感のある人がいい』となれば、高市氏や林氏、茂木氏、小林氏に分散する可能性もある」との見立てを示す。
そして、「議員票は前回小泉氏がトップで、分がある。高市氏と小泉氏が決選投票に残る可能性は高いが、今後政策をどう打ち出すのか。前回負けた理由が、小泉氏にも高市氏にもある。高市氏は右にエッジが立ちすぎた政策で、『党内融和ができるのか』『公明党からも拒否感があった』という不安から、石破氏に票が乗った。一方で小泉氏は経験不足や、発言の不安定さが指摘される部分がある。2人がこれをどう克服できるのか。克服できなければ、他の人に流れる可能性もある」とした。
「つなぎ」のリーダーが選ばれる可能性
