一方の小泉氏については、「解雇規制の見直しや選択的夫婦別姓の導入の考えは変わっていないが、『現時点で進めることは考えていない』。考えが変わったと言うと、『なぜ1年で変わったのか』となるが、今の状況では優先順位を上げることはないと封印した。これも『安定感が足りない』『経験不足』と言われる小泉氏が、党内融和を考えているというアピールだ。小泉氏は今回、守りの姿勢が目立つ」と話す。
会見で読んだ原稿は「木原誠二氏を中心とした小泉陣営が書いている」そうだ。「前回の小泉陣営はあまり整わず、若い議員が多かったが、今回は加藤氏が選対委員長になり、木原氏や齋藤健元経済産業大臣ら重厚な布陣を引いて、小泉氏本人に聞いても『前回と全く違う。支える体制ができている』。原稿も悪く言えば面白くないが、よく言えば非常に練られてバランスのいいものになっていて、失言を避けるために原稿に目を落とすという形になっている」。
加藤氏は前回総裁選に出馬したが、今回は小泉支持に回った。「小泉氏側からすれば、官房長官や厚生労働大臣、財務大臣を歴任したベテランの加藤氏は、経験不足を補う重鎮だ。加藤氏にとっては、今回出ても絶対に勝てないが、選対本部長になれば、小泉政権で幹事長の芽も出てくる。そこでステップアップして、その先にもう1回出る。実際に加藤氏は、周辺に『今回は出られないが、次は出たい』と言っているようだ。そういう思惑があって利害が一致した」。
決選投票の場合どのような戦いになるのか
