仮に決選投票になったら、どのような戦いになるのか。「高市氏は持論を封印しても、保守論客であることは変わりない。それをにじませながら、安定感や野党との連携を示す。今回は野党各党の政策を飲んでいる。立憲民主党の“給付付き税額控除”、維新の“大阪副首都構想”、(国民民主党の)“所得税の壁引き上げ”などで野党と連携し、『安心して私に入れて』という戦略」。

 対抗馬となる小泉氏は「議員票でリードしているとみられる。それを高市氏に奪われないような守りの姿勢を取りながら、経験不足を指摘されないようにやっていくのだと思う」と指摘。

 そこで焦点となるのは、「今回は党員票をあえて入れる選挙にした」ことだ。「党員票で高市氏が小泉氏を大きく上回るか。前回は高市氏がトップ(109票)で、61票の小泉氏と差が開いた。しかし議員票では、小泉氏が前回も上(小泉氏75票、高市氏72票)で、今回も上積みの可能性がある。『国民の声を聞かなかったから参院選に負けた』と総括したのに、『党員の声を聞かないで逆転していいのか』と自民党議員にプレッシャーになる可能性がある。党員票で引き離すことが、高市氏にとって重要な狙い目だ」。

 注目ポイントとしては「(前回の)石破氏の票がどこに行くかが非常に重要だ。小泉氏は石破政権の農水大臣で、リベラル政策でも近い。これ(石破氏の党員票)が小泉氏の方に多く乗ると、高市氏を上回る可能性もないとは言えない。党員票の出方が決選投票の行方を左右する可能性がある」とみている。

自民党の“重鎮”らの動向は?
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