ただ、創価学会内部では、選挙の実働部隊と呼ばれる女性部(旧婦人部)を中心に不満が募っていった。学会歴38年のA氏は「連立に対して納得していない部分があっても、『連立だから』という理由で、国政や都政など公明党議員が出ていないところは自民党を応援する形を取った。では自民党はどうだったか。その中でも折り合いを付けて私たちは応援してきたが、自民党としてそこは関係ない」と語る。
それでも学会員が自公連立を容認したのは、池田氏が最終判断をしたとされるからだ。それゆえ自公連立の批判は「名誉会長に背く」ことになる。しかしながら池田氏は、2023年11月に95歳で死去した。
その直後、自民党に派閥の政治資金問題が浮上した。自民党の政党支持率の下落に巻き込まれるように、公明党も選挙に連敗。2024年の衆院選では、当時の石井啓一代表も落選した。もっとも重要視する東京都議会でも惨敗し、支持母体の学会員たちも我慢の限界だった。
A氏は「私たちの信教の自由まで奪われかねない懸念がある。国会でも今まで政教分離が議論された。“平和のために”公明党を支持しているのだが、そこをみなさん間違えている。“宗教が応援している”みたいな感覚が嫌だった。自民党幹部は言葉を知らないのか。自民党員しかいないから大口をたたいたり、いらないことしか言わない自民党の人たち。とくに選挙中、これでもかというくらい自民党の失言や、お金の問題が出てきたが、本当にいい加減にしてもらいたい。与党というだけで、ある意味、私たちも被害者だ。今まで応援してくれた人も『自民党がいるから応援したくない』とか。一番腹立たしかった」と憤る。
今後はどうなるのか
