日米関税合意でなぜ今「署名式」?

日米関税合意で「署名式」をおこなう見通し
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 政府関係者によると、日米で合意した関税措置について、トランプ大統領の訪日に合わせて「署名式」を行う見通しだということだ。このタイミングでの「署名式」には、どういう狙いがあるのだろうか。

 現代アメリカの政治・外交が専門の前嶋和弘氏は「トランプ氏に大きなプレゼントを贈る感じ」だと語る。

「セレモニーとして、日米間は合意した、日本はしっかりアメリカに投資していく、ということを見せる。一方で日本としては、5500億ドル=約80兆円と細かなところまで書きたくはない。今、日本企業は政府から投資について打診されているが困っているようだ。セレモニーは行うが具体的なことまでは入れたくない。しかしトランプ大統領に花を持たせたい、ここが一番のポイントかもしれない」(前嶋和弘氏、以下同)

 では日本はどう対応すれば良いだろうか。

「世界を見ると日本が最前線で、トランプ大統領が言ったことや関税についても一番真面目に取り組んでいる。アメリカは、日本をモデルとして他の国にも迫りたい、というところで、できるだけセレモニー化して、トランプ大統領に大きなプレゼントを贈る感じだろう」

 関税交渉を行った赤沢氏は経済産業大臣に、第1次トランプ政権で貿易交渉を担った茂木氏は外務大臣に就いた。この2人の起用はトランプ氏にどう映るのだろうか。

「特に赤沢氏はついこの間話した相手であり、逆に日本から見ても『阿吽』のところがわかっているため、今回の閣僚人事で一番良かったかもしれない」

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