プロ入りは2020年10月。当時、藤井王座はすでにタイトルホルダーとして早くも将棋界のトップに立つ立場とあり、その差は大きく開いていた。それでも、その実力を誰よりも知っていたのは誰でもない藤井王座だ。2021年に行われた団体戦の「第4回ABEMAトーナメント」では、藤井王座が自軍のメンバーに伊藤四段(当時)をドラフト指名。メンバーの高見泰地七段と3人で見事優勝も飾った。
伊藤叡王はその後も着実に実力を伸ばし、2021年には新人王戦で初優勝。2023年度の竜王戦でタイトルに初挑戦を決めると、勢いそのままに棋王戦の挑戦権も獲得。いずれも藤井王座に退けられる形となったが、2024年の叡王戦でついにその大きな壁を打ち破ってタイトルを獲得することとなった。
日常のほとんどの時間を将棋につぎ込んでおり、“研究の鬼”ともいわれる伊藤叡王。唯一趣味と言えるのがプロ野球観戦で、名古屋出身の父の影響で中日ドラゴンズのファンだという。23歳とは思えないほどの落ち着きぶりとポーカーフェイスながら、棋士仲間からは「ボソッと面白いことを言う」との声も上がっている。
令和の将棋界をけん引する伊藤新王座。今後、長く続くであろう藤井王座との2強時代の到来に、ファンの期待は高まるばかりだ。
(ABEMA/将棋チャンネルより)




