火災発生直後に現場へ駆けつけた研究者がいた。大分県臼杵市の元消防本部消防長で、現在は大分大学減災・復興デザイン教育研究センターの板井幸則客員教授だ。「本当にすさまじい勢いの状況だった。ちょっと今まで見たことない。恐怖を感じた。真っすぐでなく、横に海の方へ流れるような、本当にすごい勢いの炎だった」。

「火の粉の大きさも全然違う。焼肉をするような炭だ。1cmもあるようなものが、本当に見てわかる。振り落ちている。今までにないような風を、今シーズン感じた日に、たまたま火災が起きて、本当に条件が全て重なってしまった」(板井客員教授)

 ここまで燃え広がった理由として、板井客員教授は、海辺の街特有の強風と、古い住宅が密集していたことを挙げる。「佐賀関は九州と四国に挟まれた豊後水道」に面しているため、「風が強く、吹き抜けて、たまって回るような感じで、いったん火が付けば一気に燃え上がる所だ」とした上で、「住宅密集地で木造住宅。なおかつ空き家も結構多く、管理されていないところに飛び火したのではないか」と推測する。

空き家が増えてしまう理由
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