そんな母親の力になりたいと元徳島県警捜査1課警部の秋山博康氏が独自調査に乗り出した。「(恭暉さんは)今まで行ったことがない広島に行っているので、これが何なのか。自殺なのか、事件なのか、それとも家出人なのか」。「なぜ生口島に行ったのか」「なぜ橋の上にスマホと漫画を残して消えたのか」「恭暉さんの身に何が起きたのか」失踪の経緯には多くの謎が残っている。
秋山氏が母親に当時の状況を詳しく聞いた。実は恭暉さんは母親に嘘をついて出かけていた。最初から塾に行くつもりなどなかったのだという。塾に持って行くはずのカバンは家に置いたままだった。母親は「部屋というか押し入れみたいなところに隠してあった。何か家を出る口実」。秋山氏は「嘘を言って三原市に来たということは、お母さんにも知られたくない人物かな」と、恭暉さんが土地勘のない場所まで行った理由は誰かと会うつもりだったのではと推測した。
秋山氏は恭暉さんが防犯カメラで最後に確認された場所、三原港へ。母親はこのときの恭暉さんの行動について「各駅停車で(午後4時3分に)三原駅について、午後5時の(船の)出発まで多分ブラブラして、5時の出発に合わせて戻ってきた」と説明。三原港で最後に防犯カメラに映っていた時刻は、午後4時3分から船が出港する午後5時までの間だった。
母親が「船も(恭暉さんは)船酔いするので乗らない。自分でお金を出してわざわざ船に乗ったりしない」と証言すると、秋山氏は「誰かと会う約束をして実際に会ったんでしょうね」母親も「としか思えなくて」と同意した。
橋の欄干に残っていた足跡に注目
