■期待から絶望へ、1億2000万円の未払いに苦しむ経営者
大阪・関西万博は来場者が2500万人を超え、大盛況のうちに幕を閉じた。閉幕式のテレビ中継を見つめるAさんは「他人事みたいな感じ。自分らの世界ではない。自分らと違う世界を見ているような感じ」と語る。Aさんは住宅のリフォームなどを請け負う会社を経営し、10年になる。
「1年前はこんな大きい工事、自分らがやるんだという期待。社内では『うちら万博の工事やるんやで』『すごいことやでこれは』と話し合っていた」(Aさん、以下同)
Aさんの会社が請け負ったのは、南ヨーロッパの島国・マルタ共和国のパビリオン。世界的なイベントの工事に携わることで会社を飛躍させたい、そんな未来を描いていた。ところが、Aさんは工事代金の一部、およそ1億2000万円が支払われていないと訴えている。
会社に愛犬を連れて来ていたAさん。「妻が体調を崩していて面倒見ることできなくて」。収入は大きく減り、生活は一変。Aさんの妻は将来への不安が募り、体調を崩しがちになったという。
20人ほどいた従業員も次々に会社を去り、10人に。これまでと同じ規模で仕事を受注することが難しくなった。「税金の支払いが5月のタイミングできて。これも待ってくれない。会社で残金3万円とかあり得ない。会社としてもう成りたたない」。Aさんは車や時計を売り払い、両親に借金もして、会社の運転資金に回している。
「自分が例えば死んだら、保険金でなんとか補填できるかなとか。命、もう残っているのが本当それぐらいしかないと考えた時があった」
パビリオン工事の現場では、一体何があったのか
