一方、チケットやグッズの売り上げは好調。万博協会は2025年12月、大阪・関西万博の運営費の黒字額が最大370億円になると発表した。中小の建設業者に協力を求めてきた主催者は、手を差し伸べることはできないのか。「博覧会協会は建築に携わった方々同士の取引に介入して調整する権能(権限)はない。直接の契約の当事者ではない協会が行うことは、公金を使って実施している団体なのでそれは難しいと思う」(日本国際博覧会協会 石毛博行事務総長)

 「協会側はこんな事態(未払い)になったことに、監督できていなかった責任があるのでは?」と問われた吉村知事は「直接の発注者だったら別なんですけど、そこまで管理するのは難しい。どうしても突き詰めると、やっぱり“民民の問題”になる」と答えた。

 解体が始まり、人々に夢や希望を見せたパビリオンが姿を消していく。未払い問題で訴えられたGL社は、2026年に名古屋で開催されるアジア競技大会で会場設営などを請け負うことが決まった。

 マルタパビリオンの工事を請け負い、1億円以上の未払いを訴えるAさんは「本当は未払いトラブルがなかったら、家族を(万博に)連れて行く約束はしていた。結局それも叶わなかった」と話す。

「そこ(万博)で楽しむ人が大勢いる中で、自分たちは一切、スポットも浴びないまま、建設したことすら忘れ去られている。当たり前のように間に合って、当たり前のように建物が建って、当たり前のように終わった。なかなか受け止められないです、現実を。返してほしい、時間もお金も人も全て。全部返して欲しいですね」

 万博が閉幕し、周りは未来に向かって歩んでいる。しかし輝く万博の陰に、取り残された人たち、彼らの未来は、まだ見えない──。

(朝日放送テレビ制作 テレメンタリー『万博“成功”の陰で ~置き去りにされた未払い問題~』より)

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