「また5年前に振り出し」と、落胆の言葉を口にした遺族、姉の長文恵さんのもとを訪ねた。5年前に起きた事故現場で、文恵さんは「4カ所街灯を(事故の)後で付けているから、今は明るいけど、もっと暗い交差点ではあった。ちょっと生花をしてますけど、交通量も多くて危ない道路でもあるので」と語る。
小柳さんは3人姉弟の末っ子として育ち、姉2人の影響か、とても穏やかな性格だったという。
文恵さんは事故現場で「ここに来た友人たちでしょうか。どなたか飲み物を置いてくれたりしてくれている」と話す。小柳さんには友達も多く、献花台も風に飛ばされないようにと、仕事仲間が作ってくれたそうだ。
事故が起きたのは、別府湾に沿って走る通称「40m道路」と呼ばれる大きな街道。片側3車線の幹線道路から住宅地へと向かう道路との交差点で衝突された。
時刻は夜の10時55分ごろ、小柳さんは仕事からの帰宅途中だった。右折しようとした小柳さんの車に、被告の運転する車が194キロの猛スピードで衝突した。その衝撃は、小柳さんを守っていたシートベルトが引きちぎれるほど。車体は大破し、体は外に投げ出された。
文恵さんは、交差点で「これくらいでも右折しますよ。全然来ないでしょ。対向車が来ないこのタイミングです。みんな右折する、十分に右折できる。結構近くに見えているようで距離はある」と証言する。夜間、対向車はなんの問題もなく右折しているのがわかる。
「この5年近く、何度も右折して、弟の目線で通るけど、これを運が悪かったと思わざるを得ないのかとか、やっぱり悔しい。ここを右折さえできていたら、家に帰れたと思うのに、戻ることができなかったと思うと、残念というか……」(文恵さん)
小柳さんは、通勤で毎日この道を使っていたため、距離感を誤ることはあり得ないと語る。しかし夜間の場合、194キロのスピードの速さを目視で判断することは容易ではない。
194キロを出している側はどうか
