■差し伸べた手と、拭いきれない再犯の現実

 2度の服役を経て、廣瀬氏は現在、建設請負会社「大伸ワークサポート」の代表を務めている。従業員43人のうち約9割が元受刑者という異色の会社だ。廣瀬氏の元でリフォーム作業にあたる元暴力団員の上村さんは、社会復帰の難しさを現場から訴える。

 「自分のことを隠しながら(仕事をする)というのも大変。うちの社長はそれを受け入れてくれるから、その方が気も楽になる。(この職場がなかったら)また同じことを繰り返しているかもしれない。結局(刑務所から)出てきたばかりで金がない。一般の生活に戻るまでにお金がかかるから、お金を作れない人間は、また再犯する。『もういいや』って。それの繰り返しだ」。

 しかし、居場所を提供したからといって、全員が更生できるわけではない。廣瀬氏は経営者としての苦渋の現実を吐露した。「ほとんどというか、10人中1人、2人がうまくいけばいい方。その残りは飛ぶ(姿を消す)か捕まるか。特に薬物や窃盗は難しい。ギャンブル依存症や薬欲しさに泥棒して、去年は3人ぐらい、うちの会社から再犯が出た」。信念を持って受け入れても、再び鉄格子の向こうへ戻ってしまう仲間がいる現実に、彼女は今も直面し続けている。

■社会からの拒絶、そして「セカンドチャンス」への願い
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