神奈川県警の不正な交通取り締まりが明らかになった。不正を主導した巡査部長は「事故に直結する悪質な違反を排除したかった。今思えば間違った正義感だった」と話しているという。巡査部長は「経験豊富な取り締まりのプロ」と評され、表彰されたこともあった。
関係者によると、通常スピード違反をパトカーや白バイが追尾する場合、一般道では約30mの車間を保ち、約100m並走。高速道路では約50mの車間で、約300m並走し速度を測定しなければならない、とされているという。
しかし今回の場合、例えば、追尾距離が約20m程度しかなかったにも関わらず、調書には「追尾測定距離約100m」と記載するなど、反則切符に実際より長く記入し、虚偽の事実を記載するなどしていた。また、現場に行っていないにも関わらず、実況見分を実施したかのように装い、調書などを作成する行為が常態化していた。
発覚したきっかけは、車間距離不保持で取り締まりを受けた運転手からの相談だった。運転手は「現場で受け取った告知書の車間距離と、後日届いた通告書の車間距離が違う」と訴えた。
警察庁の楠芳伸長官は「信頼を損ないかねない重大な事案」と、異例の謝罪を行った。
神奈川県警は2716件の交通違反を取り消し、反則金約3500万円を返還すると発表。また警察庁と県警は、あわせて24人を処分し、不正を主導した巡査部長を免職とした。
不正を主導した巡査部長は「1件でも多く交通取り締まりを行いたいので、実況見分の時間を取り締まりに回せばよいと思った」と供述している。
元白バイ隊員と交通ジャーナリストの見解
