◆癒えない傷と社会への眼差し

晴さん
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 隠し子として生きてきた経験は、晴さんの人格形成にも深い影を落とした。彼女は長く男性不信を抱えていたという。「担任の先生が男性の時に、すごく毛嫌いしている自分に気づいた。中学校の時に告白してくれる子もいたが、何をされたわけでもないのに、気持ち悪いと思ってしまった」。

 弁護士の伊藤弘好氏は、法的な観点から「認知されている場合とされていない場合で、法律上の権利が変わる。認知をされていないと、法律上の権利が発生しない」と、養育費や相続における格差を指摘した。

 また、自身も複雑な家庭環境で育ったEXIT兼近大樹氏は、当事者を社会がどう捉えるべきかについて持論を展開した。

 「あんまり大事(おおごと)にしすぎるというか、これはダメなこととしすぎると、より当事者がダメなものとされてしまう。悪いこととしていくのは大事だが、それは現実に起こり得ること。無闇やたらに産んではダメと言ってしまうと、では生まれて今生きている人たちはどうなるのかと思ってしまう。潔癖になる必要はない」。

 また、フリーアナウンサーの柴田阿弥氏は、個人の感情論に留まらない制度上の責任を強調した。

 「社会の制度として整えなければいけない。『隠し子』というと、センセーショナルに聞こえるかもしれないが『婚外子』という目線で見れば、日本にもいる。婚外子に限らず、離婚後の養育費の問題もそうだが、子どもの出生や生活が守られるような法整備が必要だ」。

 晴さんは現在パートナーとの間に子どもがいる。子どもには自身が隠し子だったことは伝えていないが、今回の番組出演をきっかけに、それが知られたとしても構わないし、むしろ隠すつもりもないという。

 「知られたとしても、それはそれでいい。この問題はデリケートではあるけれど、すごくいけないことと扱われるものでもない。子どもが、自分のおじいちゃんにあたる人が悪いことをしているという変な偏見を持ってしまっても困る。子どもに思いは大切にしたいし、聞かれたら正直に答える。法整備ももちろん大切だが、一番大事なのは生まれてくる子に対してみんなで支え合う気持ち。それが変わらない限り、どんなに法が整備されても、その子の生きづらさは変わらない」。
(『ABEMA Prime』より)
 

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