■パトロールに密着…指導で「吸い殻は減っている」

 では、横浜市の喫煙の現状はどうなっているのか。タバコを吸うと罰則が科される喫煙禁止地区を巡回するパトロールに密着取材した。

 開始からわずか10分後、早くも路上喫煙をしている男性がいた。指導員の横山邦俊氏が「こちらタバコ禁止エリアなので、加熱式もご遠慮願います」と声をかけると男性は「失礼しました」とタバコを消していた。

 横山氏は「立ち止まっている人間は全部見ます。歩きながら(吸っている人)もいますけど、立ち止まってる人がいたら、なんで立ち止まっているのかなと。よく見れば大体吸っています。中にはタバコを投げ捨てて走って逃げちゃう方はいますけど、あまり面倒臭い人を扱ったことは私はありません」と話す。

 横山氏は続けて、路上喫煙者に「すみません、タバコを吸われるのは…。歩きタバコは困っちゃうんですよ」と注意を促した。男性は「わかりました。すみません、お騒がせしています」と言いながら、携帯灰皿を使ってタバコを消した。

 密着した3時間で指導した件数は11件だった。横山氏は「吸い殻の数が全然違うので、減っていると思う。昔は吸い殻が多かった。喫煙禁止場所に指定されて、指導員が入るようになってからどんどん減っていったので効果はあると思う」と話し、やりがいについては「街がキレイになればいいかなと」と明かした。さらに「吸い殻を捨てないで、喫煙所で吸ってほしい。ポイ捨てはよくない」と要望した。

 横浜市が目指す市内全域での路上喫煙の禁止が実現すれば、より根拠を持って注意や指導ができるようになるという。

「今の喫煙禁止地区の指導はこれまで通り続けていく。そこには過料処分が科せられるので、違反して指導に従わない場合には2000円の過料がで取ることができます。それがかからないエリアについても、条例が改正されれば『ここでタバコを吸わないでください』と、タバコの火を消すまでの指導ができる」(津島氏)

“罰則なし”条例案の背景に「喫煙所を十分に設置できていない」
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