■最高指導者も死亡、その先は

ハメネイ師
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 ハメネイ師亡き後、アメリカはどのように交渉するのか。長尾氏は「政権交代を“乗っ取り型”で行う場合、引き継ぐ人物が必要だ。『行政府の長でしかないペゼシュキアン大統領では、格が低すぎるのではないか』という指摘もあるが、上を排除した後に残る後継者としては、可能性がある」と推測する。

 村上氏は「イランでは最高指導者が全権を掌握し、大統領が上がるシステムではない。後継者候補の1人がハメネイ師の次男、モジタバ師で、仮に彼にならなくても、イスラム法学者の中からトップを選ぶ。イスラム体制が転換しない限り、大統領が実権を持つことはない」と否定する。「『あえて生かしている』というより、たまたま生きているに過ぎないのではないか」。

 長尾氏は「イランはミサイルやドローンを1000発以上撃っているが、このペースでは生産能力を上回ってしまう。『ストックがある』と言える段階で休戦交渉しないと、各国から一斉に袋だたきにあうため、それを見越してアメリカは『我々には4〜5週間後もミサイルや爆弾がある』とメッセージを送っている」と分析する。「イランの兵器が尽きた時、決断する能力があれば、交渉を挑んでくるのではないか。そこで譲歩できれば、早く終わることもあるだろう」。

 村上氏は「最初に最高指導者を狙ったということは、体制転換や政治的混乱に期待していたのではないか。しかし、思ったよりも混乱は起きていない」と話す。「攻撃の頻度を下げつつ、ずるずる続ける方向にシフトするのではないか。イスラエルはハマスを2年間攻撃しても、ミサイル能力を奪えなかった。アメリカもイエメンのフーシ派を約1カ月空爆したが、いまなおフーシ派は健在だ」。

■今回の攻撃、日本にはどんな影響が
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